大会あいさつ

 

 

実行委員長

まちで愛をはぐくむ~ふれ愛・ささえ愛・わかち愛~


姫路市在宅医療・介護連携支援センター センター長  成定 啓子


みなさま!!元気に笑顔で楽しくお過ごしでしょうか?
今年も7月27日(土)に黒田裕子記念神戸フォーラム2019を開催することになりました。今回、実行委員長を拝命しました成定です。どうぞよろしくお願いいたします。
このフォーラムは今年で4回目を迎えます。日本ホスピス・在宅ケア研究会に長く貢献された黒田裕子さんは、2014年7月、第22回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会が神戸で開催された時の実行委員長でした。その時、私は実行委員のひとりでしたが、多様な意見をまとめて合意形成するさま、スタッフや周囲の方への配慮、大会の運営の指揮等、その姿から沢山のことを学びました。無事終了した2か月後の9月、黒田裕子さんの訃報を聞いた時は「信じられない⁉」衝撃で呆然としたことを覚えています。
黒田裕子さんと言えば、阪神淡路大震災での被災者支援から、看護の世界で災害看護の分野を切り拓かれ、東日本大震災でも支援を続けられたことで有名ですが、それ以前もがん患者会やボランティア等、いつも苦しむ方の傍らでケアを行う現場主義の方でした。偉大な仲間だった黒田裕子さんの思いを、後に残った私たちがこの神戸で受け継ぐべく、日本ホスピス・在宅ケア研究会は「黒田裕子記念」としてフォーラムを開催しています。
 また、私が日本ホスピス・在宅ケア研究会に誇りをもっていることは、医療や介護に関わる専門職だけの団体ではないことです。がんの患者会やボランティア、臨床宗教家、一般市民など、多様な立場の仲間が会員です。最初から「〇〇さん」とさん付けで呼び合います。〇〇先生と言えば罰金です。対等な立場を大切にします。今では、意識的に〇〇さんと呼び合うことも一般化してきましたが、これを20年以上前から貫いていることはとても素晴らしいことです。だからこそ、患者さんも医療や介護に依存するのではなく、自分で選んで決めていく力が必要になります。まさに、今求められている共に考える視点ではないでしょうか。
 さて、今回のテーマは「まちで愛をはぐくむ~ふれ愛・ささえ愛・わかち愛~」としました。そして吹き出しに重要なツッコミ「そこに愛はあるんかぃ?」を入れました。はい!!あのTVコマーシャルのパクリです(笑)
 社会背景の変化に伴い、効率化が求められています。人も少なくなるので、いろんなことがシステム化され、ICT化に向かい、ロボット化されてきています。技術が進歩し、とてもありがたいことなのですが、人間らしさでもある血や心が通うような「愛」はちゃんと大切にされているでしょうか?
私たちが、未来に向けて創りたいまち、未来に向けて繋ぎたいものとは、人と人の心が通う「ふれ愛、ささえ愛、わかち愛」なのではないでしょうか。人が少なくなっても、一人暮らしでも、老いても、そこに「愛」がある…「まちで愛を育む」をテーマに皆様と共に、あたたかな未来を語り合いたいと思います。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。