企画の意図(プログラム詳細)

 

午前の部

意思決定支援の法的視点からのアプローチと医療介護の視点からのアプローチ
 訪問看護師やヘルパーをはじめとする医療・介護従事者が患者・家族から受ける暴力の問題もあります。また、施設での看取りでは、虐待・暴力の問題(利用者が受ける虐待・医療介護従事者が受ける暴力も含む)も増えてくるかもしれません。神戸市の虐待委員会などで重要な役割を果たし介護施設の事故・虐待に詳しい弁護士と、地域の訪問看護ステーションで医療介護従事者の受ける暴力問題に立ち向かっている訪問看護師を交えて、これからの地域で求められる意思決定支援のあるべき姿が浮かび上がってくることを期待しています。


非がん(心不全)の緩和ケアとスピリチュアルペイン
 がんの緩和ケア・在宅ホスピスケアはずいぶんと確立されてきた感がありますが、今後は非がんの緩和ケアが大きなテーマになると思われます。非がんの在宅ホスピスケアを行っていると、そのスピリチュアルペインががんの方とは少し異なるように感じています。今回の診療報酬改定でも非がん、特に心不全が緩和ケアの対象として新たに位置づけられました。しかし地域の医療介護従事者にとって、心不全患者さんのスピリチュアルペインに対応することは非常に難しいように感じています。心不全の緩和ケアに携わっている人たちが、本シンポジウムでその悩みを共有し、共通認識をもって具体的な明日からの対応策や解決策を持ち帰ることができれば、これからの地域での非がんの緩和ケアが少し前に進むのではないかと期待しています。


看取りのキホンとコツ
 高齢社会に向け、看取る側も看取られる側も、今一度、人の「死」について、そして「看取り」について考えておくことが求められています。この企画では、誰もが必ず経験する「死」について、看取りに向けた身体や心の変化を知り、最期まで「より良く生きる」ためにどのような支援ができるかを学びます。この企画は、これまで500名以上の医療・介護職、一般の方が参加し、わかりやすく、すぐに実践しやすいとご好評をいただいているプログラムを2時間バージョンで行います。自らの死生観も考えながら、基本的な知識と看取り時の関わりのコツについて一緒に考えてみませんか。


あなたの笑顔で職場・家族・地域を変えよう
 講師の上田さんは10数年の間、パニック障害とうつ病で閉じこもり状態が続いたのですが、笑いヨガ、心理学、イメージトレーニング、コーチングなどを学ぶ事を通じて恢復を果たし、現在は「笑い(笑顔)コンシェルジュ」として多くの方がたに笑顔をお届けしています。 笑顔の効用は、①笑顔で心や身体が元気になり、②、人間関係がよくなり、③人生そのものが充実する事です。 笑顔を忘れた現代人の表情筋は退化し、多くの人がのっぺりとした顔つきになっています。当日は退化した表情筋を鍛え、他者と目を合わせ、笑顔でコミュニケーションする方法を習得します。


『もしバナゲーム』で縁起でもない話をしてみませんか
 人生の最期はどう在りたいか?誰もが大切なこととわかっていても、最期の時はなんとなく「縁起でもない話はしたくない」と避けてしまいがちかもしれません。もしバナカードゲームを使い、縁起でもない話題を考えたり話し合う機会づくりを考えています。ゲームを通して、友人や家族など周りの人々とゲームをしておくだけでいざという時の判断がしやすくなります。あなたにとって何が重要なのか、そしてなぜそう思うのか、自分自身が振り返ることが可能となります。


午後の部

認知症に向かう親を前に、息子・娘だからこそ出来ること
 映画の中に<責任を施設に委ねて自分の生活は変えない息子(50代)>が登場します。出来なくなる事が増えていく親の粗相を責め、一方で自分の安心のために専門家にも完璧な対応を求める息子。しかし、その息子が特別に身勝手なのではなく、自分らしく生きたいという<ごく普通の私達の姿>なのかもしれません。上映後の全体意見交換会で各自の立場・経験から見えている風景を出し合ってもらいます。まずは「老いをどのように見ていのか?」という問いに向き合い、その上で「穏やかに介護をする上で必要とされるもの」、「介護経験が私達自身の生きる姿勢へ与える影響」などについて意見を交わしましょう。そして様々な視点で見方を深めた先に見えてくる、<今の自分に出来る行動>を、共に考えてみましょう。


死生観をとらえなおす(サイエンスカフェはりま共催企画)
 大仰なテーマですが、生きることや死ぬことについての意味や位置づけを考えることは太古の昔(多分ネアンデルタール人の時代から)人間にとって最も関心の高いことの一つだったと考えられます。多死時代に突入した現在、今一度死生観をとらえなおしてみたいと考えます。広く深いテーマなので、さまざまなアプローチができると思いますが、今回は、科学的な観点からとらえなおす試みをし、自然の中での我々の位置づけを考え直す機会にしたいと思います。


にちほす屋台村「いのちのりんり」
 かつて「生命倫理に正解はない」と言われた。しかし、その言説は誤りで、「生命倫理の正解は一つではない」が正しい。そこに、会場にいる参加者が倫理的課題に対して発言する意味がある。つまり、自分の意見を披露すること自体が自分といういのちの存在から外に向かって語りかける大切な作業となる。
 難しい理屈は置いておいて、日頃あまり議論することのない倫理的課題について他の人の意見を聞き、そして自分の意見を述べてみよう。多分、皆さんは疑問に思っていたが表出できなかったことをいろいろお持ちと思う。疑問に思っていることは吐き出しましょう。それらは大きなヒントや経験になると思う。


認知症コミュニケーションのコツ
 認知症はもはやコモンディジーズと言ってよいほど増えている。しかしながら、ケアの現場では、コミュニケーションに苦慮する事が多い。当日は長年の認知症治療&ケアの経験に基づいて、主に「バリデーション」と「ユマニチュード」技法に基づいたコミュニケーション技術について分りやすく解説する。

僕が認知症の在宅医療で培った、みんながハッピーになるための、みんながともに学ぶべき処方術。
 認知症医療のゴールとは何なのか?認知症治療の価値とは何なのか?本講義を通じて、今一度自問自答する機会としてみませんか?
 認知症患者を取り巻くヒト・モノ・ハコは千差万別であり、如何にすれば、医療と介護と家族を最適化でき、高い満足度を得ることができるのでしょうか?周辺症状制御を主軸としたコウノメソッドがそのカギを握っているかもしれません。
 そんなコウノメソッドを在宅医療と融合実践してはや8年。失敗と成功を繰り返した末、ようやくみんなの満足度を高めるための認知症治療のコツをつかみ始めました。
 本講義では、認知症患者の「おクスリさじ加減天秤法」と「個別最適化治療」をコウノメソッド交え、わかりやすくお話しします。

以下に、講師の石黒伸さんの書籍へのリンクを掲載しています。
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E7%9F%B3%E9%BB%92-%E4%BC%B8/s?ie=UTF8&page=1&rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E7%9F%B3%E9%BB%92%20%E4%BC%B8


在宅薬剤師への一歩~オピオイドのはてな?~ 
1.保険薬局が麻薬を取り扱えるようにするためには。
2.麻薬についての基礎知識 いまさらだけどもう一度
3.薬剤師が外来から在宅にどのように関わっていくか。どのように在宅訪問を開始するのか 
4.3名の演者のお話しをきいた参加者が、グループワークで地域や在宅、多職種連携に薬剤師がどのように第一歩をふみだせるのかを話あう。その成果を共有・持ち帰る。


バンケットルーム企画(2階)

暮らしの保健室 in神戸フォーラム
 2011年開設された東京新宿の「暮らしの保健室」をモデルとして、全国にふえつつある「暮らしの保健室」は、地域包括支援センターとは違った介護保険制度に縛られない機能をもち、高齢者だけではなく全ての人を対象にしています。しかし、いまだ多くの人に知られていません。そこで、医療、介護、福祉の専門職だけでなく住民が中心となり、子どもも含めて地域の人の幸せな暮らしのために自分にできることを考えるきっかけになればと思います。全国にある「暮らしの保健室」を紹介し、これからも多くの場所で「暮らしの保健室」が増えてゆくことを願っています。
 学校に保健室があるように地域にも保健室があったらいいな・・・暮らしの中でちょっと困ったこと、どこに相談していいかわからないこと、なんでも相談にきてください。


まちづくりワークショップ(超高齢地域でのまちづくり
 地域包括ケアの主体は在宅医療の推進であり、それを通じたコミュニティの再生=まちづくりが、これからの地域で求められていきます。兵庫県の明舞団地や養父市といった超高齢地域でのまちづくりに携わるまちづくりコンサルタント、兵庫県播磨町で実際にまちづくりプロジェクトを行っているコミュニティープランナー、地域で全く新しい形の介護施設を運営している若き経営者、から見た地域コミュニティの再生方法や、それに対して医療介護従事者は一体なにができるのか、という視点からのワークショップを企画しました。
 これからの超高齢多死社会で在宅医療・地域緩和ケアを地域で推進していくためには、医療介護従事者が地域でまちづくりを行っている全く異なる職種の人たちとうまくコラボレーションしていくことが求められていくはずです。医療介護従事者の力だけでは、地域で持続性のあるまちづくりのシステムを形作ることは難しいのではないでしょうか。その一方で、まちづくりに関わっている人たちも医療介護従事者からの適切なアドバイスを期待しているかもしれません。お互いに全く異なる視点から、地域で求められるまちづくりとはどういうものであるのか、という共通認識が生まれることを期待しています。


パネルブース(2階)

Beオレンジ 誰もが暮らしやすい町を私たちがつくる
 RUN伴兵庫は「誰もが暮らしやすい兵庫」を目指して、介護・福祉・看護・OT・PT等の専門職、製薬会社等の企業、行政・社協・包括等が協働して、認知症の啓発活動を展開しています。啓発の内容は、若年性認知症の当事者の方、後期高齢者、障害のある人の参加の場としてイベントの開催と、北海道から沖縄までつなぐ「襷」を持って、尼崎から赤穂までマラソンリレーです。パネル展示では「RUN伴兵庫2017」の取り組みをご紹介します。パネルについては、各市町のRUN伴実行委員が展示内容を説明します。また、認知症の薬の話や、私たちが広域、多職種・異業種で連携し、地域住民と共に取り組む「地域づくり」についても、ご紹介します。是非、RUN伴兵庫の展示を見に来てください。


日本尊厳死協会プログラム(4階)
 80歳のおじいさんでもわかる「穏やかな最期を迎えるために知っておきたいこと」を、医師、弁護士がわかりやすく伝えます。また、劇団「ザイタク」の演劇を鑑賞しながら、「在宅医の役割」「家族の役割」「救急車を呼ぶ意味」「おひとりさまの最期」「孤独死しないための近所つきあい」「看取りの法律」について、楽しくみんなで考え、穏やかな最期の準備ができる市民を一人でも多く増やしていく講座です。